「創業スクールなら」の卒業生には、魅力あるお店をオープンされ頑張っている先輩がたくさんいます。
実際にお店を持つには、店舗設計や仕入れ、お金のやりくりなど、課題や悩みは尽きないもの。これからお店を持ちたいけども、何から始めていいかわからない、具体的な方法がわからない、一体みんなどうしているのだろうと、疑問や不安をもつのも当然のこと。実際にお店を運営しているオーナーに、「普段は見えない裏側」「継続できる秘訣」「本当のところ」を、直接聞けるものなら聞いてみたいものです。
そこで「創業スクールなら」では、特別企画として、先輩創業者のお店を巡るツアーを開催しました! 講師と商工会職員の引率のもと、実際に先輩のお店を訪問して、知りたいことをなんでも聞ける絶好の機会。全3回に渡って、10店舗を訪問しました。
今回の記事は、その第1回目のレポートです!
オリエンテーション
まずは、講師の石川聖子先生からのオリエンテーションです。
ポイントとしては、「各お店の優れた点を見つけること」とのアドバイス。弱みを見つけるのは簡単で、誰にでもできること。今回のツアーで訪問するお店にかぎらず、普段の生活の中でも、どこかのお店に出向いたときには、そのお店の強みを見つけることを習慣化することが、自身の成長につながります。
「強み」=「わお!」と思ってしまうような「わお!ポイント」を見つけること。石川先生らしいキーワードでした。
このツアーのいいところは、その「わお!ポイント」を参加者間で共有できること。一人では気付けなかった各店舗の強みに気付けたり、自分では思いつかなかった質問をほかの参加者がしてくれることで、オーナーからの意外な助言が聞けたりもします。
それでは、1件目の訪問です!
Salon de annon ~安穏~
まず訪れたのが、本田智恵子さんが経営される、大和郡山にあるエステサロン、「Salon de annon ~安穏~」。本田さんは元モデルさんという独自の経験を強みに、サロンを経営されています。
モデルさんといえば、美容施術を受ける側ですが、受ける側から施術する側への転身。もともと人に何かをしてあげることが好きだという本田さん。エステの施術以外にも、元モデルの見識を活かして、写真に良く映るアドバイスをされているのがユニークです。
参加者からは、宣伝方法、コロナ対策、商品の仕入れからお客さんの心を掴むノウハウまで、幅広く質問が飛び出しました。
フェイスシールドを着けての施術等、コロナ対策もしっかりされている本田さん。宣伝方法としては、ネット集客には力を入れず、ほとんどが口コミとリピーターなのだそうで、本田さんの力量や魅力が伺えます。
本田さんのお人柄が伝わることとして印象に残っているのは、「決して商材を押し付けない」「お客様一人一人を大切にしている」とのお話。あくまで信頼関係を大事にしているので、リピーターとしてお客様をつなぐためのLINEサービスなども、しつこくならない程度に活用しているとのことでした。
結局のところ、お客様と丁寧に向き合うことが大切なのだと、気持ちをあらたにできました。
(Salon de annon Webサイトはこちら)
Bar Sally
続いての訪問は、新田豊さんが経営されるバー、「Bar Sally」(バー・サリー)。
新田さんは親分肌で面倒見が良く、数多くの後輩に慕われていますが、そんな新田さんのキーワードは、ずばり「人とのつながり」「出会い」。とにかくどこにでも顔を出しに行って、会いたい人には会いに行く。そして自分だけではなく、人を紹介する。新田さんの生き様がうかがえました。
「『これをやる』と決めたら、常にアンテナを張っておく。そうすると、人は必ず何かしらのヒントをくれる。あとは行動するだけ」。とてもシンプルながらも、多くの人がなかなか実践できていないことで、新田さんの前向きな姿勢と行動力に感服しました。
リアルでの人脈もすごい新田さんですが、SNSも積極的に活用されています。そして、SNS上でも新田さんが大切にされていることは、自分の発信だけではなく、人のために発信すること。自分の宣伝第一ではなく、人の宣伝、人の紹介をすること。人と人をつなぐのが好きだと語る新田さんは、「自分も人に助けてもらった。だから恩送りをしている」と話します。
そんな新田さんのもとには、絶えず人が集まっています。石川先生も、そんな新田さんを評して「『あの人に会いたいから会いに行く』と思ってもらえるのは何よりもの強み。事業をやるうえで『ファンを作る』というのは、すごく大事なこと」と話されていました。
事業を継続していく上での根本、シンプルながらも本質が詰まったお話を、たくさん聞くことができました。
(Bar SallyのFacebookページはこちら)
柳花簾
この日の最後の訪問は、大和郡山でレンタルスペース「柳花簾(りゅうかれん)」を経営する下窪多恵子さん。柳町商店街の南にある元畳店を改装し、開業するにいたった経緯を、興味深く聞くことができました。
基本的には「大家さん」を営む下窪さんですが、ほかにもたくさんのことを手がけて大忙し。そんな下窪さんがつねに抱いている思いは、「町に貢献したい」。
地元を愛し、地元の魅力を発掘して伝え、活性化させたい。そんな思いを、お話の随所に垣間見ることができました。歴史ある町並みで貸しスペースを行う面白さ、難しさ、展望をお伺いして、たとえ業態は違ってもこれから事業を始めようとする卒業生たちは、とても刺激を受けた様子でした。
(柳花簾Webサイトはこちら)
この日のツアーを終えて
精力的に事業を継続されている、とても魅力的な御三方のお店を訪問させていただき、あらためて、「創業スクールなら」はすごい! と感じました。「スクールを卒業しておしまい」ではなく、卒業してからもこのようなイベントを通じて、卒業生同士や先輩、そして講師や商工会職員とのつながりを継続できるのは、「創業スクールなら」ならではです。